撓曲地形の周辺地下 遠州灘撓曲帯 |
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海底地形図の高精度化が進み、変動地形学の分野で、遠州灘から熊野灘、四国沖にかけての詳細な分析が行われました。 図1は、 「3秒グリッドDEMから作成したフィリピン海プレート北縁部の3D画像」(泉紀明・加藤幸弘・西澤あずさ・伊藤弘志・渡邊奈保子・中田高・後藤秀昭・植木俊明・梶琢) に掲載されている「第5図 相模トラフ - 駿河トラフ - 南海トラフ周辺の海底地形(アナグリフ画像)」です。 遠州灘撓曲帯 「東海-四国沖の陸棚外縁活撓曲の再発見」(鈴木康弘、「科学通信」Vol.80 No.8)によれば、 ・遠州灘・熊野灘・四国沖に連続する大陸棚外縁に活撓曲が認められ、その基部(深部)に長大な活断層の存在が推定される。 ・陸棚斜面は上方に凸の形状で連続していて、斜面を構成する地層は斜面と平行に傾き、斜面下部ほど地層の傾斜が急になっている。 ・遠州灘撓曲帯は、逆断層(陸棚外縁断層)の活動により形成された。 ・紀伊水道、熊野灘、遠州灘付近では逆断層の主要な剪断破壊面は地下10km以深に埋没している。 ・室戸半島付近だけは例外的に地表まで剪断破壊を生じている。 とあります。
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遠州灘撓曲帯沿いの震源分布 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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図2のように、震源の検索範囲を4つのエリア(浜松沖、志摩沖、熊野沖、室戸沖)に分け、それぞれ10ブロックに分けて検索してみました。
検索期間は、1000年1月 - 2018年6月。
震源データは「一元化データ」を使用していますが、歴史地震や2002年以前のデータは理科年表等を使用しています。 フィリピン海プレートの沈み込みラインは、 Fuyuki Hirose's HP で公開されている数値データを使用しました。 Baba et al. (2002, PEPI)、 Nakajima and Hasegawa (2007, JGR)、 Hirose et al. (2008, JGR)、Nakajima et al. (2009, JGR)、 弘瀬・他 (2008, 地震)、弘瀬・他 (2007, 地震) から各データファイルを深さごとにまとめて使用しています。 位置関係を捉えやすいように、各ブロックに目印(スポット)を置きました(緑色)。 また、スポットのところから角度帯を設けて震源の色を変えています。 角度帯の上端より上側の震源は水色、下端より下側の震源は青色、上端と下端の間の震源は赤色で描画しています。 赤色の水平分布をみるため、真上からみた図では上側の水色の震源は描画していません。 地形の断面をみるために、ブロックの中央を横切るライン沿いに高さ(深さ)を10倍強調した図も入れています。
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