福島県沖 震源断層データからみる福島沖周辺の地下 |
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【実験版】特定のスペックをもつ複数の震源断層(震源断層群)の分布から仮想断層面を求めてみました。 今回の地震の対象は図1の点線で囲んだ薄水色の範囲(中心緯度37.15°、経度141.40°、約80×60kmの矩形、走向25°)です。 対象地域を含む周辺で発生した主な地震 (2011年-2017年、M6.0以上)を表にまとめました。 今回は、2016年11月22日 M 7.4と、その余震でもある2016年11月24日 M 6.2の二つの地震に注目します。 (2011年03月11日 M 6.0にも注目したいのですが、防災科研の初動解データでは、この時間帯のデータは欠損になっていました。)
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震源断層情報 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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防災科研(防災科学技術研究所)の初動解パラメータ・データ(「F-net 地震のメカニズム情報」)を使用して今回の対象範囲の震源断層情報を調べてみました。 図2-1内の点線で囲んだ検索エリア内で、2016年11月01日 - 2017年08月31日の期間、深さ40km以内で検索し、192 件の震源断層データを得ました。 P軸の傾きが高角度84%、T軸の傾きが低角度98%、N軸の傾きが低角度90%と、正断層型が卓越しています。
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震源断層データの絞込み | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
注目する地震の震源断層パラメータは、防災科研の初動解データによると、 2016/11/22、M7.4、緯度 37.35、経度 141.60、深さ 24km、正断層型、走向 47°、傾き 38°、すべり角-90° 2016/11/24、M6.2、緯度 37.17、経度 141.34、深さ 23km、正断層型、走向 19°、傾き 33°、すべり角-89° です。 検索する震源断層データのスペックは、正断層型で、傾きは高・中角度、走向はNまたはNEとしました。 震源断層フィルターの設定 直方体のフィルターを使って、震源断層データのパラメータが指定したスペックに適合するかどうかをチェックします。 試行を繰り返し、フィルターの形状は、約50×40×8 kmの直方体、走向が 33°、傾きが40°、上面(図3で青色の網部分)の中心位置(灰色の球):緯度 37.36°、経度 141.28°、深さ約 8 kmとしました。 震源断層データの検索期間を2016/11/22 - 2017/08/31に設定し、フィルター内のデータでも調和しない場合はカットして 54件のデータを得ました。 図3にフィルターに含まれるデータを描画しました。震源断層面の長さ・幅は拡大しています。
震源断層フィルターを使い、「気象庁 一元化震源リスト」(「Hi-net 高感度地震観測網」の震源情報)から注目する2つの地震について震源分布を描画しました。 図4は2016/11/22 - 2016/12/31の期間の震源分布です。 赤色はフィルター内にある震源、灰色はフィルター外にある震源です。 設定した震源断層フィルターは震源分布を反映したものとなっています。
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震源断層群と仮想断層面 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
図5は2016年11月22日 M7.4とその余震の震源断層群を描きました(検索期間:2016/11/22 - 2017/08/31)。 黄色の面が震源断層群から求めた仮想断層面(走向:33°、傾き:40°)です。
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