(改訂版)2003年十勝沖地震 本震M8.0から断層を探る


[注目するデータ]
2003年09月26日、襟裳岬沖にM8.0の地震が発生(表1 Main1)。太平洋プレートが沈み込む境界で発生した低角の逆断層型です。
震源断層パラメータの類似スペックデータから断層領域を探るにあたり、2000年11月14日に発生したM5.4(表1のKey12)をKeyデータに選択しました。 本震(Main1)と直接連結するM5.0以上のデータは表1のKey11のみで、本震M8.0の連結・リンク状況はよくありません。 そこで、Key11と直接連結するデータの中からKey12をKeyデータとしました。
図1にデータの位置を示します。図1には国土地理院が解析した震源断層面も描画しています。
 国土地理院の震源断層面:緯度:42.05、経度:144.64、深さ(上端):15.7km、長さ:92.0km、幅:90.0km、走向:241°、傾き:23°、すべり角:124°、Mw:8.0
※Keyデータ、連結・リンクについては、「震源断層群とは? 類似スペックのデータ群」を参照

図1 注目するデータの位置

表1 注目するデータ
 年月日Mag深さkm節面1節面2備考
Main12003/09/26M8.023(45)31,78,81249,15,127 
Key112008/12/25M5.035(31)23,81,78258,15,143 
Key122000/11/14M5.435(43)29,71,80237,22,117 
深さの値:防災科研の震源深さ、()内は一元化データの震源深さ


[震源の深さ]
F-netのデータには防災科研が解析した震源の深さも掲載されています。 今回使用したデータ(表2)について、一元化データの震源深さとの比較を図2に描画しました。
沖合いのデータ(本震Main1など)が差が大きいです。
類似スペックデータの抽出にはF-netのデータの深さ情報を使用します。

図2 震源の深さ


[連結・リンク]
リンクの次数は最大3まで求めました(表3参照)。
本震の周辺には連結・リンクするデータは少ないのですが、Keyデータ(Key12)と直接連結するデータの中に、 2003/09/27 M5.2、09/29 M6.5、10/07 M5.6、12/29 M6.0(表2のNo.04 - 07)を抽出しています。
なお、襟裳岬沖の西側には本震の類似スペックデータは分布していません。

図3 連結・リンク

表2 連結・リンク情報
No年月日Mag深さkm節面1節面2Main1Key11Key12
011961/08/12M7.2[49]235,24,113---3--1
02 Key122000/11/14M5.435(43)29,71,80237,22,117230
03 Main12003/09/26M8.023(45)31,78,81249,15,12701--
042003/09/27M5.250(59)30,66,80233,26,1113--1
052003/09/29M6.541(42)31,70,79239,23,1163--1
062003/10/07M5.632(28)24,67,78232,26,1153--1
072003/12/29M6.035(38)18,72,73243,25,1323--1
082004/04/12M5.844(47)28,68,77240,26,1193--1
092007/03/18M5.629(59)23,70,73245,26,1293--1
10 Key112008/12/25M5.035(31)23,81,78258,15,14310--
112013/07/16M5.144(47)26,66,79232,26,1143--1
122018/05/18M5.835(46)245,26,12329,68,753--1
132019/04/15M5.138(43)239,25,11631,67,793--1
深さの値:F-netデータ、()内は一元化データ、[]内は震源カタログ

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